非正社員の心をうまくとらえている
著者は工業高校を卒業後、日立製作所に入社。しかしそこで自分は「電気」には興味がもてないことを悟り大学に進学しジャーナリストとなり大学教授となっている。このように紆余曲折を経た人は弱者の気持ちが理解できるものである。
非正社員の悲惨な現実、これに対して労働者は
この本が評判となっています。それは現に「雇用破壊」とも言うべき形で、非正社員が激増し、今の生活や将来の不安に直結する問題となっているからです。賃金も労働条件も雇用の継続性・安定性も著しく制限された労働者が、多数を占める勢いで増えているのです。
この本は、その実情の一端を(一端ではありますが)示してくれています。95年以降この10年間の実情が明らかになっていきます。自分や自分の周りの人にあてはまるような例、企業の「手口」がいっぱい出てきます。その意味で、知っておくべき事実がいっぱいあります。
この本の著者は元ジャーナリストの学者として、ある種たんたんとデータをあげていきますが、自分たち労働者の置かれた状態の問題、さらには資本の攻撃の問題としてみたとき、怒りなしには読めなくなります。著者は「企業の社会的責任」を説き、「新たなルールを求めて」「こういう雇用システムにしたらどうか」、「働きに応じた公正な処遇を確立すべき」、「法令遵守」、「非正社員を含めた価格是正」、「男女共同参画を進める」といったことを結論としています。
しかし、最大の問題は、なんといっても労働者の団結と闘いの問題です。マルクスは140年ほど前に『賃金・価格・利潤』という本の中で、「無限の利潤追求という資本の原理からして、労働者は闘わない限り、資本によって極限まで搾取され命までおびやかされる。だから労働者は労働組合に団結して闘う必要がある」と述べています。現実は、資本と労働者の力関係で決まります。私たち自身が、この全体構造をみきわめ、資本の分断攻撃(公務員労働者と民間労働者との分断、産業間・企業間の労働者の分断、企業内の社員間の分断、非正社員との分断など)をのりこえ、団結をつくり出してともにたたかっていくこと。ここにこそ、私たちの未来はあることを確信しましょう。
労働現場の問題点は書かれているが、ウエイトの置き方はどうか
この本の長所
副題は「非正社員という生き方」になっているが、非正社員の問題点だけではなく、労働現場の問題点を多角的に明らかにしたところ。章立ては、若年非正社員、中高年非正社員、女性非正社員と大まかに分けられているが、正社員の問題点も書くことによって、労働者の置かれている悪条件を見事に描き出している。
この本の短所
著者の得意な分野である女性労働者についてはよく書けているが、若年非正社員(フリーター)の記述はイマイチ。p5、6の記述があるので(モラトリアム、パラサイトシングルの問題はこの本では取り上げるべきではないと思う)、若年非正社員の問題がぼけてしまっている(この書き方では著者が主張したいはずの企業側の責任や行政の責任追及が不徹底になってしまう)。
結論
長所で星5つ、短所で1つ減らして、星4つ。
派遣ライフがハッピーになる5つのSTEP
今の職場が派遣or正社員さんでも、転職を考えている人には是非、手にとってもらいたいな。一人二人の体験談じゃないもの(笑)作者の長い年月の蓄積が詰まってますね。私も派遣をしているので、あるある"体験には笑い、知識や待遇についてはうなずき、あっという間に読まさせてもらいました。楽しくて、ためになるのって良いです!
この本は、頼れる先輩からのエールですね。
思わずうなずく内容です
「これって私のこと?」と、読んでいて思わずつぶやいてしまうくらい派遣の生態を緻密に書き表わしています。
派遣オンナの表裏を上手く表現しているイラストに思わず吹き出してしまい、軽い本なのかと思いながら読み進んでいくと、派遣生活でのお役立ち情報も記載していたりするマジメな部分もあります。
これから派遣登録を考えている人にはマニュアルとして使える一冊。
もちろん、派遣生活まっただ中の人にも内容に「そうそう」と、同意できる部分がたくさんあるので面白い読み物としてお勧めします。
読んでよかった。
淡々と書かれているエピソードが妙に可笑しかったり、さらっと過ぎた一行にとても深い意味がありそうで怖かったり...。ただ発展途上国に赴任した新入社員の奮闘記というよりも、日本が抱えるこれからの問題、格差社会とか、30代に心の病が多いこととか、物質至上主義とかにも(文中にそういうキーワードは出てきません)繋がっていそう。久しぶりに深く考えさせられた。